離婚時に決めるべきこと|夫婦の財産分与について(その2)

夫婦が様々な事情により離婚を決断した場合、夫婦で所有してきたものや、築き上げた財産について財産分与を行うこととなります。
前回のコラム「離婚時に決めるべきこと|夫婦の財産分与について(その1)」では財産分与の種類や、分与の対象となる財産について触れました。
これまで共に生活してきた夫婦にとって、結婚生活で築き上げた財産は金銭だけではありません。夫婦間の話し合いによってどちらが何を所有するのかすんなり決まれば問題ありませんが、分割し難い財産についてはどのようにするのかわからない方も多いと思います。
今回は「夫婦の財産分与について(その2)」として、財産の評価の考え方やトラブルになりやすい財産分与の資産などについてご紹介したいと思います。

1.財産価値の評価と分配

夫婦で築いた現金や預貯金は、分与割合さえ決まれば、容易に分けることが可能です。しかしながら、それ以外のものについては、現金価値に換算して評価する必要があります。ただし、それほど高価でなく使用した家財道具などは、協議でそれぞれほしいものを単純に分与したほうが容易な場合もありますが、高価な家財道具がある場合はその分与にあたり、現金を減らすなどの調整をするケースもあります。ここで注意すべきは評価あくまで離婚時点の時価評価であることに注意が必要です。
株式や国債などの有価証券といったものについては、現金化して分けるか、時価の査定をして証券等を預貯金等とあわせて分与率に応じてどちらかに分配することになります。
また、生命保険なども同様に解約して返戻金を分割するか、解約返戻金を評価額として現金分から差し引くなどして名義変更を行いどちらかに分配することなります。
住宅などの不動産については、売却して現金化し分配すればよいのですが、多くのケースではどちらかが住み続けることになると思われます。その場合、分配するにあたっては、住宅ローンがなければ不動産の財産価値を時価評価して分配する必要がありますが、評価は不動産鑑定士の鑑定などで評価を行います。

2.住宅ローンが残っている持ち家の財産分与

住宅ローンが残っている場合、その持ち家の財産分与は少し複雑になります。持ち家の所有者は誰となるのか、住宅ローンは誰が支払っているのか、誰が居住するのかは、年齢・健康状態収入の有無や額、扶養する家族の有無等、離婚後の双方の生活状況を考慮して柔軟に対応すべきですが、売却価格の時価評価とローン残高額がポイントとなります。
例1)売却価格がローン残高を上回っているケース
この場合、売却価格の時価評価額とローン残高の差額について、住み続ける側が分与率(1/2ずつなど)に応じて出ていく側に現金で支払うことになります。
例2)売却価格がローン残高を下回るケース
最近の裁判所では、売却価格がローン残高を下回っている場合は財産分与の対象にしないという考え方が主流となってきています。

3.財産分与でトラブルとなりやすい財産

財産分与の対象となる財産であるかどうかは個別に判断しますが、その判断において両者でトラブルとなりやすいものもあります。
(1)退職金
既に支払われており、現金等に還元されたものや、3年後など支払時期が近付いており確実性のあるものについては、財産分与の対象となります。一方で、若い時の離婚では退職金は財産分与の対象となりにくいと考えられています。しかし、熟年離婚の場合など、結婚期間が長い場合であれば離婚時に退職したと仮定した退職金想定額や、あるいは結婚期間に応じた割合での金額について財産分与の対象として認められる可能性は高くなります。
(2)負債(借金)
借金も夫婦の財産ですから、住宅ローンやマイカーローンなど夫婦生活を営む上で必要であった財産は共有財産として財産分与の対象となります。しかし、配偶者の消費者金融による個人的な借金(連帯保証人となっている場合を除く)など知らないうちに借金をしていた場合などは財産分与の対象とはなりません。
(3)別居中の形成財産
離婚前に別居していた場合、別居中にそれぞれが形成した財産は財産分与の対象とはなりません。ただし例外的に夫婦協力して形成したとみなされたものは対象となります。
(4)夫婦の一方が経営する会社
経営している株式会社の保有株や、実質的に個人経営を行っており個人と変わらない会社の財産は財産分与の対象となります。しかし、会社名義の財産は対象となりません。

4.まとめ

今回は離婚にあたっての財産分与について、財産の評価の考え方やトラブルになりやすい財産分与の資産などについて触れました。預貯金や現金は財産分与においてわかりやすいですが、お金以外の財産は、財産分与の対象となるかどうか一つ一つ確認することが重要です。売却して分割するのが基本ですが、ローンの残っている住宅等、離婚後の生活設計も視野に入れて、柔軟に考え財産分与を行うことが望ましいです。
当社にご相談にいらっしゃる方も、不倫問題の相談だけでなく、その後の未来ある人生を歩むために離婚に関して財産分与など様々なご相談いただいております。
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